食べたいのに食べられない摂食障害

わたくし、食べることが大好きで、できればギャル曾根さんのように大食い選手になりたかったです。

「食べたら食べた分以上に太る特異体質」で(笑)、大食いはあきらめる人生になりました。まぁ、燃費が良くてある種の才能に恵まれましたよね。

今日はその食事が苦痛になってしまう「摂食障害」のことを見ていきます。

誰にでも起こる可能性のある怖い病。人生の喜び喜びとして受け止められる体でいるために病気について知ってみましょう。

摂食障害

摂食障害とは

  • 拒食症(食べられない病)と過食症(食べ過ぎる病)のこと
  • 患者数は全国に20万人以上
  • コロナ以降は1.6倍に患者が増加
  • ストレスが許容オーバーして発症する
  • 思春期や青年期の女性に多い
  • 最近では中高年や男性も増えている
  • 昔治った摂食障害は中高年になって再発する場合がある
  • 治療には家族の協力が必要
  • アドバイスは本人を傷つけてしまう場合がある
  • 完治には3年以上かかることが多い

具体例

高校生Aさん 17歳(拒食症)

勉強に部活と自分を鼓舞して頑張り続け、難関大学に入学するも、授業内容が難しくついていくことができずに自信を無くし、食欲がなくなって痩せてしまいました。ところが友人からは「かわいい!」「スタイルが良い!」「うらやましい!!」といった褒め言葉をかけてもらえるようになります。嬉しくなったAさんは、食事を極端に控えたり、ジョギングを毎日4時間継続するなど、無理な生活を送るようになり、50キロあった体重が15キロも減ってしまい、しまいには家族からの心配も聞き入れずに倒れてしまい、拒食症と診断されてしまいました。

会社員Bさん 35歳(過食症)

見た目の体形は太っておらず中肉中背なのですが、一食での食事量が成人男性1日分もあり、異常な量を食べてしまいます。食べても太らないために食後はトイレで吐き戻し、食事をリセットしていました。食べたい衝動と太りたくない思いから、のどを通しても胃には収めずに必ずトイレで吐き戻すという生活を繰り返した結果、過食症と診断されました。

ストレスからの逃避である

このように摂食障害はストレスからの逃避と考えらます。なにか大きなストレスを抱えている場合、痩せて美しいと言われた快感や、食べ物を食べる快感で、ストレスから逃げようとしてしまいます。

もしこの摂食障害でもストレスが解消されなくなった場合はリストカットや薬・アルコールの依存に進行するケースがあります。
摂食障害だけでなく、自傷行為や依存症も併発すると治療がますます難しくなるので、悪化する前に改善していくことが大切です。

摂食障害による身体症状

  • 異常な食行動が続く
  • 心・体・生活に支障をきたす
  • 痩せる・無月経
  • 血圧低下・体温低下
  • 血糖値が低下し進行すると昏睡状態になる
  • 食後の嘔吐や下剤の乱用
  • 脱水・腎不全
  • 低カリウム血症・不整脈
  • 歯が溶ける(酸蝕歯)
  • 太れない
  • 時間や決まりに厳格的で強迫症を合併
  • 不眠が起こり決断力や思考力が低下
  • 過食後にうつ気分が起こる
  • 不登校・欠勤・ドタキャンが起こる

痩せるということは、体に必要な栄養素が不足しているということで、体は省エネ状態に陥ります。そのため、不眠や思考力が低下するのですが、この思考力の低下は嫌なことへの感受性が鈍くなるとも言えます。「食べなければストレスを感じなくなる」と思って、ますます食べないようにしてしまう悪循環に陥ってしまいます。

また、過食しているときは嫌なことを忘れられるので食べ続けてしまいます。

摂食障害の対策

では、これらの原因がわかったところで、どのように防いでいけばいいのか見ていきます。

本人と家族の双方の協力が必要

  • 特効薬はない
  • 抗うつ薬の服薬
  • 栄養を補う点滴
  • ストレス耐性が低いことを自覚する
  • ストレス発散方法を見つける
  • 心配するより理解をする
  • 食事や体重よりも生活の乱れに注目する
  • 食事行為以外で、勉強や仕事などできていることを認める
  • ストレス耐性が低いことを自覚する
  • ストレス発散方法を見つける
  • 心配するより理解をする
  • 家族のメンタルケアも意識する
  • 家族の育て方や接し方が原因という研究結果はない
  • ちょっとしたことがきっかけで快方に向かうこともある

家族は本人のために「しっかり食べないと」とか「痩せすぎてるよ」という言葉をかけてしまいがちですが、その事実は本人も気が付いています。食べたいし、太りたいと一番願っているのは本人です。食べたほうが良いと分かっていても食べられないから病気と診断されているので、家族の常識的なアドバイスは言葉のナイフと化して本人を傷つけてしまいがちです。

言葉のナイフをしまって、家族間の喧嘩の火種をつくらず、隣で生活を支えてあげることが大切です。

回復に向かうきっかけとして「そんなに大変な思いをしていたなら、お母さんが変わってあげればよかった」という一言で救われたとか、通った医者がミスを連発し「医者なのに失敗してもよいんだ」と概念が変わったなどがあります。

病気の本人も苦しいし、支える家族もつらいのが摂食障害です。

完治には3年以上の期間を必要としますが、ちょっとしたことがきっかけで治ることもあるので、気長に治療していきましょう。

鍼灸でアプローチできること

  • 心のケア
  • 自律神経の調整
  • 食べられるように内蔵を元気づける
  • 消化して吸収する力をつける

鍼灸がアプローチできると知らない人ばかりですが、摂食障害にも鍼灸は有効です。専門家のケアと併用すれば3年もかからずに回復する可能性もあります。

ストレスが多いと感じるときは鍼灸治療をおすすめします。

摂食障害にならないように、一緒に健美鍼で心をゆるめてきましょう。大丈夫です。