生理と婦人科疾患の関係
生理は炎症である
高齢出産、少子化、子どもを持たない選択など、近年子どもの出産に関してスタンダードが変化してきました。その結果、女性科疾患が増加していることをご存じですか?
子宮や卵巣に関する病気は、出産することで発症するのでは?と考えがちですが、実はそうではありません。
なぜ増加するのか、その原因を見ていきたいと思います。
女性科疾患について記載したコラムはこちらから
近年の日本の平均寿命は、男女ともに80歳を過ぎています。栄養状態も良好であることから、女性の閉経する年齢も昔よりも伸びてきています。そして、冒頭でお話した通り、昔と比べて女性が出産する回数が減ってきています。
この2つのことが意味するのは、生理と付き合う期間も延び、生涯で起きる生理の回数が増えているということです。
「生理は病気ではない」「妊娠は病気ではない」と、一度くらい耳にしたことはありませんか?(パワハラ上司やモラハラ夫の発言する漫画のセリフだったかしら?)
実際、20代だった私自身も、臨月まで仕事をしいて辛かった時ときは、この言葉で自分を鼓舞していました。「みんなこうして働いている」「病気じゃないんだから頑張れるはず」と。
しかしながら生理は炎症なんです。これ、知ってましたか?炎症なんです。
生理は病気ではないとは言いますが、炎症を起こしているので、体には大ダメージです。
女性の生涯の月経回数が増えたということは、炎症の回数が増えたということです。出血量も多くなり、体の負担が増加しているんです。
昔は16歳で生理が始まり、45歳で閉経。出産を5回したとすると、生涯の生理数はおよそ50回でした。現代では、初潮は12歳で閉経が50歳、出産は1回ほどだとすると450回も起こると言われています。
生涯で450回ですよ!?そんなに出血を繰り返し、血液の排出がうまくいかないとすると、それは腫瘍や卵巣の腫れ、自己免疫疾患も発症してしまうなぁという感じですよね。
「妊娠と出産で生理の回数を減らすこと」と言っても、なかなか現実的な手段ではないし、閉経までの期間が延びているのは変えようがありません。そのため、生活バランスを整えるということがここでも有効です。
実は鍼灸治療も大変有効です。それは、体の冷えを解消し、血流をよくすることで生理時の出血の質を向上することができるからです。「瘀血(おけつ)」と呼ばれる骨盤内の悪影響を及ぼす血液を排出し、生理をスムーズにすることで、生理バランスが整い、腫瘍の発生を防ぐと考えられています。
そして、努力しても改善が見込まれないという方は低用量ピルを服薬する手もあります。日本での低用量ピルの印象はあまりよくなく、嫌煙してしまう人も多いと思いますが、メリットたくさんなので一度試してみるとよいですよ。
デメリットとしては、人によっては血液が固まりやすくなり血栓症を起こしてしまう可能性があります。また、太りやすくなったり、抜け毛が増えるということが挙げられます。ただ、これらのデメリットを凌駕する良さがピルにはあると思います。娘さんが生理痛で悩んでいたら「ママブロック」せずに、服用を勧めてあげてくださいね。
なお、血栓症はふくらはぎの痛みなどで症状が出てきます。水分をこまめに飲んだり、着圧ソックスを履くことで予防していきましょう。
私も低用量ピルを飲んでいたことがありますが、なんてことなかったです。今度書いてみようかな。
生理による下腹部痛は減らすことができます。一緒に健美鍼で改善してきましょう。大丈夫ですよ。