やる気が出ないのは適応障害かも

適応障害という言葉をよく耳にするようになりました。

これ、うつ病の一歩手前の状態ということなんですが、ご存知でしたか?

「適応障害」の状態のとき、適切な対処ができたかできないかで、鬱になるかどうかが決まってきます。

コロナが流行してから、適応障害に悩む人の数は10~15%増加したと言われています。

もし「最近は気分が落ち込みがちだなぁ」と思う節があれば、ぜひ対処法を実践してみてくださいね。

適応障害

適応障害とは

  • 何かの強いストレスから始まる
  • メンタルの不調
  • 一過性の落ち込み
  • もし6か月以上気分が落ち込むと鬱病などと診断される
  • 長引くとストレスから解放されても気持ちが回復しない
  • 早い段階で治療を開始すると良い

具体的な症状

  • 憂鬱な気分
  • 仕事や家事への意欲低下
  • 食欲低下
  • 涙もろくなる
  • 不安感が強くなる

このような状態が1~2週間続いたら治療を求めたほうが良いでしょう。
症状が重い場合はメンタルクリニックなどが良いですが、初期段階であれば鍼灸治療で心や自律神経にアプローチする方法が有効なので、ご連絡ください。

具体例

新入社員Aさん 24歳

仕事量が多いことに強いストレスを感じていたところに、ミスが重なって上司から指摘された人が、常に憂鬱になって朝起きられず、会社に出社することができなくなった。

主婦Bさん 50歳

検診で乳がんが見つかり、治療は順調でも孤独感に襲われた。食欲が低下し、家事もできなくなってしまった。

この例は、どちらも適応障害の診断が出ています。

適応障害は年齢や性別を問わずに誰でも発症する可能性があります。

適応障害になりやすいストレス

人間関係

  • 学校・職場・家庭内
  • 集団での生活や、上下関係で悩みが出てきてストレスに感じます。

  • 人生の転機・環境の変化
  • 進学や就職、昇進、結婚や離婚などで環境がガラッと変わったときにストレスを感じます。特徴的なのは、マイナスな要素だけでなく、ポジティブな変化と思われることでも発病の引き金になることがあるということです。

  • 癌などの病気の発覚
  • 病気の発覚のショック、治療生活が始まることでのストレスで発症します。

病気が発覚した時の孤独というのは、かかった人にしかわからないものです。病気になったこと自体が不安にもなりますが、「周りに心配をかけたくない」と相談できないことで、一人で病に向き合ってしまい、孤独感を感じる人もいるようです。

適応障害の対策

では、これらの原因がわかったところで、どのように防いでいけばいいのか見ていきます。

ストレスから逃げるが勝ち

  • 仕事量を減らす
  • 上司に頼んで作業量を減らしてもらう。

  • 苦手な人から離れる
  • 席替えや人事に相談、担当業務や部署を変える。

  • 求職をする
  • 2週間~1か月の短期間の休み取得をしてみる。

と、一般的には言われていますが、「根本原因のストレスから距離をとること」って、正直きれいごとですよね。こういう対策ができるうちは、欠勤なんかしないし、家事だってできるはず。それができなくなった時点で、こんな対処はできなくなるし、主婦の場合はどうやって休みを取るの?と、個人的に思います。

なので、心に留めておくべきは、憂鬱に思うことが続くときは自分の意思を伝えてもよいと自分が納得しておくことだと思います。

私が実践している防衛術

  • 仕事は納期ををゆるゆるにする
  • 「あー、今の仕事量が多いので、この作業をやりきるのには時間がかかりますよ?今ある業務含めて何を優先しますか?」と優先度を決めさせて、納期は2倍くらいで設定する。

  • 相手を虫人生1回目のかわいそうなカメムシと思う
  • 苦手な人から離れることが難しい場合は、「こいつはカメムシ、またなんか言ってる、人生1回目の赤ん坊め!」と、言われる言葉を真っ向から受け取らない。

  • 心の中で別のことを考える
  • ストレスになる言葉をかけられたり、イラっとすることが重なるときは、イラっとしたことノートに書き綴ったり、会話中にキーワードを心の中で数えだすと、キーワードを言ってほしくなって笑えてくる。

  • 家事はやらない
  • 家の掃除を頑張ったのに散らかされたらいやなので、ほこりや髪の毛が落ちていても気にしないし、靴下が裏返ったまま洗濯カゴに入れられてたら、そのまま洗ってそのまま片付ける

病気が見つかってしまった時の対処法は、カウンセリングを受けたり、同じ病に悩む人が集まるサロンに参加して、思いを共有することが有効とされています。

鍼灸治療は「病気にならない体つくり」を強みとしているので、まずは予防が大切ですが、女性科疾患であれば症状を軽減することも可能ですし、心を穏やかにするケアも可能なので、カウンセリングと合わせて使っていただくと良いです。

適応障害になった場合も、病院で薬を処方される場合がありますが、少量で短期間で済ませることが良いです。毎日飲むことが続くのは、薬による鬱につながるので、自分の体を自分で正常化する力をつけていきましょう。

最後に、家族が適応障害になった場合のことを見てみます。

家族が適応障害になったら

  • 距離感を大切にする
  • 心配しすぎない、支えようと力を入れすぎない

  • 成人の場合は自力で回復するので見守る
  • 根掘り葉掘り聞いて傷口を広げないこと

  • 理解する姿勢
  • 本人の言っていることを否定しない、説得や説教をしない。また、本人が伝えたい本質を見誤らなずに傾聴する。

適応障害になってしまったことに対する責任を感じすぎずに、普段通りに接することが大切です。そばにいること、休んでいることに問題がないことを態度で示すことが望ましいです。

ストレスから離れる環境が整い、自分自身も以前の生活に戻る意欲が十分に備わっていれば、復帰することができます。焦らずにゆっくりと治療し、復帰後に少しでも様子がおかしいなと感じたら、休みの日はしっかりと休息することが大切です。

個人的には、とにかく自分が楽できるように調整するスキルを身に着けて、実践していくことが大事だなと思います。

適応障害にならないように、一緒に健美鍼で体をゆるめてきましょう。大丈夫です。